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ヨセミテ観光記

ここで旅先で書きそびれたブログを更新。

旅行実質最終日となった木曜日は、ヨセミテ国立公園への一日観光を決行。
サンフランシスコからは車で約4時間半。往復ではない。片道、である。
いくら左ハンドルの右側通行に慣れてきていたとは言え、これは結構な修行だ。
現地のバスツアーに申し込むという手段もあったが、バスに4時間以上も揺られて
行くくらいなら自分で運転して行った方がまだまし、と自分で判断したことなので
仕方ない。ツアー開始は10:30現地集合だったので、6時にはホテルを出発した。

最後にこんな大物のプランを組んだ自分を恨んだ瞬間でもある。

行きはナビに振り回されながらもなんとか10時半ジャストに現地に到着し、
ガイドと合流。ざいうま氏に通訳もしながらのツアーとなる予定だった為、
我々二人で組んでもらった。コースはもちろん、初心者向け。ガイドからは
中級コースを薦められていたが、丁重にお断りした。初心者コースでさえ、
5時間以上半歩く予定だったのだ。中級コースになったら歩く時間が延びるか
もしくはコースのきつさが増すことを意味するわけで、決してフィットな身体
とは言えない我々にとっては無謀以外の何者でもない。

ちなみに、ヨセミテ国立公園という地域は、簡単に言うと何万年も前に
氷河が削り取った大地の古い地層が徐々にせりあがって出来た高地で、
渓谷の部分と、それを囲むように出来た岩山などで概ね成り立っている。
19世紀半ばに入ると、この地域に住んでいたアメリカ先住民族が追いやられ、
それからナントカさんがここを自然の状態のまま保存することを決め、
このような形態では世界で始めての国立公園として制定されたらしい。
以上、ガイドさんの受け売り情報。私は特に予習もせずに行きました。
ガイドさんをつけて正解。

さてヨセミテの見どころと言えば、ざっくり言うと渓谷に平地に当たる
湿地帯とそこから見られる周囲の岩山などの景観と、岩山の上に積もった
雪が溶け出して流れ落ちる滝と、岩山の上に残る氷河地帯、あとは切り立った
崖のようにそびえる岩山そのものをロック・クライミングする内容などに分かれる。
我々が申し込んだ初心者コースは、平地から滝を眺め、湿地帯にかかる
桟橋を歩きながら全景を楽しみ、そこから滝の中腹まで近づく道のりを
ハイキングするという内容のものだった。何もリサーチしてなかった出発前には
「え、基本滝だけ?」とちょっと拍子抜けしたが、まあこれが大きな間違い。
ヨセミテ観光記_a0019074_20271537.jpg



ちなみにここがスタート地点。

最初の一時間程度はどうってことなかった。滝つぼの近くまで行って
大瀑布を浴び、そこから湿地帯を歩きながら先ほどのようなヨセミテの歴史など
についてとか生息生物などについての解説を聞いて回っていた。
ヨセミテ観光記_a0019074_20323653.jpg

ヨセミテ観光記_a0019074_20235059.jpg



ちなみにガイドの兄ちゃんは想像していたより落ち着いた奴で、想像していたより
ヨセミテ歴の浅い奴だった。「いやあ、僕もニュージャージーに住んでたんだよ!
5年前くらいにこっちに来たんだけどね」って、おい。にわかじゃないか。
てっきり「生まれも育ちもヨセミテだから、気がついたらこの仕事を始めてた
って感じかな」みたいなキャラを妄想してたのに、「僕ヤンキースファンなんだ!
イラブは最悪だったね」とか言われちゃうと、なんかイメージ違うんだよなあ。
でも、気さくな良い奴だったし、良い意味で「自然バカ」な性格だったのは
想像通りだったけど、変にハイテンションな典型的アメリカ人タイプじゃなくて
よかったよかった。

ちなみに「自然バカ」なキャラが悪い方に出る場面は後ほど発生。

さてさて、ここからいよいよ山道を登るコースが始まった。距離にして約1マイル、
高低差千フィートくらい?って行ってたと思う。普段からハイキングなんて
する筈もない我々にとっては、その数字が物語る意味は測れなかったが。
既に高地に居ること、そこから更に高地に上がることから、頻繁に水分補給を
取りながら行くことを強調されて出発。ふん、そんなに大変なのかねえ?
と侮っていたのが今となっては悔やまれる。

道はそれなりに歩きやすく出来ていたものの、そこは自然の山道。石畳があり、
砂地あり、紆余曲折あり。登りあり、登りあり、下りあってまた登りあり。
右手には常に崖もあって、落ちたら完全にアウトな設計。何この初心者コース。
まあそれでも最初の30分くらいは「なかなかきついやないの~」的な余裕も
あった。そろそろ中間地点近くくらいには来たかな?と思ってガイドに訪ねると、
失笑されてしまった。

「そうだねえ・・・ここで、1/4くらいかな?」

へ?マジで?ここで1/4?それはちょっと・・・きついかもなぁ。

しかし、私よりもコタえていたのはざいうま氏のようだった。私より体格がよく、
私より血圧が高く、私よりはるかにビールを飲む(←これは関係ないかも)
彼にとって、この山歩きは足に来るより「心臓に来る」ものとなったらしく、
「あんなに胸の高鳴りを感じたのは初めてだったよっ」と後で名言を残した
ものの、最中は本当に死にかけていたようだ。先頭をガイド、続いて私、
しんがりをざいうま氏が歩く編成だったが、最初の方は振り返って「休憩する?」
と問いかけても「いや、もうちょっといける」と答えが返ってきていたのが、
「休憩する?」「・・・そうだね」「休け・・」「休憩しよう・・・ちょっと・・・」となり、
最終的には一瞬気配を感じなくなったので振り返ると、仁王立ちで大往生
寸前になっていた。おおーい。やばいよこれ。ガイドさん、ちょっと待って・・・
と呼びかけようとしたら、ここでまさかの自然バカ発動。たまたまガイドの
頭上付近をツバメのような鳥が数羽通過し、「見た?今の見た?!僕のアタマ
スレスレだったよ!」と大はしゃぎ。いや、こっちは死にかけてますけど・・・。
あそこであのリアクションはやっぱりさすがにアメリカン。

ただ、この時点でもうほぼ目的地前だったので、ざいうま氏も無事生還。
滝を正面に見れるちょっとした岩場に腰を下ろし、お昼休憩。二時間強
かかったかな?ガイドさんは「どう?この景色。来た甲斐あったと思わない?」
とはしゃいでいたが、我々にしてみればとりあえずちょっと休ましてくれい
という心境が大勢を支配していた。
ヨセミテ観光記_a0019074_20252013.jpg



いや、でも確かに良い景色でした。さすがに商売にしてるだけあって、
良いところでストップしてくれたね。山道はまだ続いていたけど、多分もっと
進んだらその岩山の断崖まで出ていたのだろう。そこまで行く必要はなかったし、
体力もなかった。さあ、ここまで来たら後は帰るだけ。しかし、私はひそかに
こっちが心配だった。来た道は結構な急勾配だったし、砂地もあって足元は
滑りやすく、帰りは左手がずっと崖だ。違う意味で死んじゃわない?体力的な
問題もあるけど。ただ、これもさすがにガイドも商売にしてるだけあって、
なんとか大丈夫だった。下りの歩き方は、すり足気味に後ろ重心で歩くこと。
これで随分安定して早く歩けた。重力に任せて下りられるから、体力的にも
消耗が少ない。おかげでほぼノンストップで1時間程度で下りきった。
ただ、「膝が笑う」ってやつをこの時ほど実感した時はなかった。

でもまあ、なんとか踏破しましたよ。初心者コースとはいえ、達成感あり。
ちなみに、別にツアーを組まなくても自由に歩き回れるようだが、我々みたいに
特に予備知識もなく、これといった目的もないのに行っちゃうような連中は
ガイドしてもらうのがベターだろう。そうでなければ、最後の滝の景色には
絶対たどり着けなかっただろうし、もしかしてもっと無謀なルートにチャレンジして
帰れなくなっていたかもしれない。

さあ、ともかくこれでヨセミテ観光も終わったし、後はサンフランシスコに帰るだけ。

・・・てことは、4時間ドライブ。


ノォーーーーーーー。


いや、ちゃんとドクターペッパー飲んでドーピングしながら帰りましたよ、はい。
車の運転をあまり苦にしない自分にこれほど感謝した時はないです。
途中、サンフランシスコの坂にも負けないような連続S字カーブが断崖つきで
5マイル続いたり、ただひたすらに真っすぐなハイウエイが何十マイルも
続いたり、あらゆる罠をかいくぐっての生還です。ホテルに直行せずに
ステーキハウスでシメたのも我ながらエライが、その詳細はまた次回。
by paspas | 2010-06-06 20:27


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